眠りについてアンケート調査を行ったところ、「すっきり目が覚めない」「熟睡感がない」「疲れが残る」などの理由で、睡眠に満足していないと感じている人が多いことがわかりました。やはり睡眠の満足感は、単に眠った時間の長さによるのではなく、どんな睡眠内容だったかという質の問題が大きいと考えられます。
睡眠の質を改善するのに、人間の体でもっくられているアミノ酸のひとつ「グリシン」という物質が役立つことが、最近の研究で明らかになりました。人間のような、昼間はずっと活動して、夜にまとめて眠るという行動形態は、生き物の中ではとても珍しいタイプです。脳が休んでいるノンレム睡眠と、脳は起きているけれど体は完全に休んでいるレム睡眠のセットを1サイクルとすると、動物はほとんどの場合1サイクルごとに覚醒し、1日に何回も短い睡眠をとります。
ところが人間の場合、一度眠ると、4~5サイクル繰り返して眠り続け、朝に覚醒します。寝人りばなに深いノンレム睡眠があり、その後、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しながら、しだいに眠りが浅くなって自然に覚醒する、というのが人間の理恐的な睡眠のパターンです。睡眠に満足感がないと答える人は、浅い睡眠が繰り返され、脳と体が十分に休まらないうちに、朝の起・床を迎えてしまうことが多いのです。
実験では、就寝前にグリシンをとると、深い睡眠パターンが高い確率であらわれることがわかりました。また、グリシンで睡眠の質が上がると、脳と体が十分に休まるので、翌朝の目覚めがすっきりして、日中の疲労感やねむけがなくなり、作業効率が上がるというデータもあります。この実験は、画面にランダムに表示される図形に反応する速度と正答率を、時間ごとに調べたものです。グリシンの摂取によって、反応速度も正答率も高くなっていることがわかります。
グリシンは、えびやほたてなどには比較的多く含まれている成分であり、アミノ醵の一種ですから、睡眠薬や興奮剤とは異かり、あくまで睡眠の内容をよくして体が本来のリズムをとり戻すことに効果を発揮します。人間が眠りに入る過程には、複雑な条件がからみ合っており、体内でつくられるグリシンのリズムも条件のひとつです。何らかの原因でグリシンのリズムがうまくっくれない人は健康食品などを利用して、グリシンによ
る熟睡後の心地よい目覚めを実感してはいかがでしょう。