中高年になると、夜中にトイレに行きたくなって、頻繁に目が覚めるという人が多くなります。たいがいは自然な老化による変化ですが、なかには、夜間の尿意が、体の発している病気のサイン・危険信号である場合もあるので注意してください。
とくに気をつけなければいけない兆候は、夜間の頻尿(夜間に寝ついてから3回以上小使すること)と昼間の排尿回数の激減が同時に起こってくること。それは、心臓に間題が生じているというサインと考えられるからです。心臓の役目は、体のすみずみにまで血液を送ることです。
高齢になると、深夜の尿意で睡眠が妨げられたり、トイレに起きないために夕方から水分をとらないように気をつけたりするという人が多くなります。夜中に何度もトイレに行きたくなるようでは、ぐっすり眠ることもできません。とくに男性には「年をとるにつれておしっこが近くなった」という人が多いのです。それが一晩に2回以上になったら要注意です。というのは、尿意が睡眠の妨げになることも問題ですが、それ以上に、前立腺肥大症の初期症状の可能性が高いのです。
前立腺は、男性にしかない器官で、膀胱の出口近くの尿道の根元の部分をとり巻いて、精液の成分のひとつである前立腺液をつくっています。この前立腺が、加齢とともにホルモンバランスの変化などによってしだいに大きくなり、尿道を圧迫して、尿の通りが悪くなるのが前立腺肥大症です。尿がスムーズに出なくなり、1回の排尿にかかる時間が長くなり、残尿感に悩まされることも増えます。尿道がいつも圧迫され刺激されているので、すぐにトイレに行きたくなるわけです。進行すると失禁が起こる場合もあり、重症になると尿閉という尿がまったく出ない状態になります。
かみ合わせが悪いと、全身のトラブルを招きます。実際に、かみ合わせの治療後1ヵ月もたたないうちに視力が1.0以上も上がったといラ事例はたくさんあります。視力だけでなく、偏頭痛、目の痛み、首や肩のこり、背中や腰の痛み、足のしびれ、冷えなどのさまざまな不快症状、動悸や息切れ、心臓、消化器系の異常、水虫、ぜんそく、アトピー、膠原病なども改善されます。
これらの障害が重なって、不眠やうつに苦しむようになる人も少なくありませんが、かみ合わせの治療後、それまでの悪夢がうそのように消え去ったという事例は、あげればきりがないほどです。
かみ合わせが悪いとなぜ全身のトラブルと関係してくるのか多くの臨床経験から私は次のように考えています。
いったん上下の歯のかみ合わせがずれ始めると、やがて下あごの位置が前後左右と徐々にずれ始めます。下あごがずれると顔全体に歪みが生じ、頭の重心も片寄ります。すると体は、頭を傾けたり、肩を上げたり、背中を曲げたりの不自然な姿勢をとってバランスを保とうとし、やがて背骨(脊柱)が弩曲してしまいます。
多くの不眠の原因にもなる自律神経失調症には、しばしば漢方薬が処方されます。漢方薬の特徴は、処方に際して、病名ではなく、その人の症状と体質に合わせて生薬を調合するところ。ですから、自律神経失調症のように、症状が人それぞれ違ったり、複数の症状が一度に出たりする状態には、漢方薬での治療が適しているといえます。
医師が漢方薬を処方する際には、まず問診を行い、どんな症状が出ているかを調べます。さらに、その人の体力の状態や体質を漢方的なものさしによって見きわめ、その体質に合わせて、調合する生薬を調整していきますから、同じような不眠でも体質によって処方する漢方薬は違ってきます。
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も、一時的に呼吸が止まってしまう症状を中心にした病気をいいます。主に、鼻やのどの形態的な異常や、肥満などで気道が狭くなったりふさがったりするために起こるもので、具体的には、睡眠中に10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上あると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。なかには1時間に100回以上も無呼吸状態になっていた患者さんもいて、当然、脳も体も酸素不足になりますから、本人はしっかり眠っているつもりでも眠りの質は落ちます。
そのために、日中にねむけが生じやすく、慢性疲労や集中力の低下などが起き、仕事や生活に支障をきたすことも少なくありません。代表的な症状はいびきですが、ほかに、頻繁に目が覚める、夜間の頻尿や発汗、息苦しさ、悪夢、起床時の頭痛、抑うつ、性的能力の低下などの自覚症状があります。
かつては、不眠や食欲不振など、原因不明の不快症状は何でも自律神経失調症とみなす、といわれたこともありましたが、最近では研究が進み、その正体がわかってきました。
心臓や胃腸を、自分で意識的に動かしたり止めたりはできません。これは自律神経が自動的に働いてその機能を調節しているから。うっかり心臓を動かすことを忘れたり、呼吸や消化活動を止めてしまうと命にかかわります。自律神経は生命を維持するための自動制御装置なのです。
自律神経は、交感神経と副交感神経という、2つの相反する働きの神経からできており、どちらも脳から全身に向けての指令によって各器官の働きを調整しています。交感神経が優位に働くと心臓が拍動を増してドキドキし、筋肉は緊張して、血圧が上がり、元気に活動できる身体状態をつくります。副交感神経の働きが優位になると、心拍は遅くなり、血圧は下がる一方、胃腸の動きが活発になり、消化吸収が盛んになって、体を休ませて活力を養う状態をつくります。
睡眠のメカニズムが解明されてきたのは、意外にも最近のことです。睡眠は単なる体息ではなく、成長ホルモンや性腺ホルモンを分泌して疲労回復や傷の修復・性機能促進にかかわったり、免疫力を高めたりと、人体に欠かせないさまざまな作用が全身に波及する時間でもあります。人の脳には、起きて働くための脳と、眠っている間に働くための脳という、2つの機能があり、睡眠が十分とれないと、後者の機能が不足して、体全体に支障が生じるわけです。
こうして睡眠の機能が明らかになって、これまで一般に考えられていた睡眠の常識に誤りがあることもわかってきました。まず、睡眠時間は老いも若きも一律なのではなく、加齢とともに変化するということです。若いころのように長く眠れなくなったとか、夜中に目が覚めるようになったとよく聞きますが、それは、成長に必要な機能が不要になったため。眠っている間に働いていた、成長のための作用がいらなくなるので、睡眠パターンも変わるわけです。